【big love!】
大きさ?重さ?
質より量?
どっちからとか、方向性とか?
どんな話の流れだったかは吹き飛んだ。
お互いの休養日が久し振りに重なった、穏やかなある日。
一息吐こうとリビンクでお茶をしていた筈なのに。
「オレのは、大きくて重いよ。たぶん。」
しれっと当然の如く即答して、首を傾げる目の前の幼馴染みが、ひどく眩しい。
「…でしょうね。」
恥ずかしくて顔が赤くなっているのが分かる。頬が熱くなって、視線を少し逸らした。
「でも、たまぁに言われると、心臓止まって死ぬかも?って思うなぁ。」
傾げた首を反対側に傾げ直して、ニッコリと微笑む幼馴染み。
「…好きです、よ。」
耳まで熱くなっているのを自覚しつつ、期待されているのも分かるので、小さく呟いて顔を手で覆い隠す。
「ぐふっ。」
胸を押さえて、幼馴染みが机に突っ伏した。
(そのリアクションが、恥ずかしいんだよな…。)
突っ伏した音を聴いてから、顔を覆っていた手を退けて、目の前の旋毛をちらりと眺める。
突っ伏したままの目前の旋毛に顔を寄せて、
「…愛してる。」
何とか絞り出す様にして、呟いた。
心臓が異様な音を立てて迫り上がってくるようで、逃げるように自席に戻り、背凭れを抱き締める様に後ろを向いて、顔を腕の中に隠した。
「…かっちゃん、オレもいい?」
恥ずかしさと、大きくて重いと自他ともに認める愛が押し寄せて来る予感に、圧し潰されそうだと思いながら、黙って顔を臥せたまま横に頭を振る。
「無理に受け止めなようとしなくても良いよ。聴いて欲しいだけだから。…ね?」
背中にぴったりとくっついてくる幼馴染みに、背凭れごと抱き締められて、止め処無い愛の言葉を浴びる。
「………ムリ、死ぬ。」
愛され過ぎていて、もはや恐ろしい。
4/23/2025, 12:19:42 AM