もくもくもくもく。
「ん〜オイシイです〜!」
今日は俺が夕食当番だから、彼女の好きな食べ物を作った。
それを満面の笑みで頬張る恋人。ひと口の量を大きくするもんだから、頬を大きくもしゃもしゃしている姿はハムスターにも見えて可愛い。
「食べないんですか?」
「あ、うん食べるよ」
そう答えているけれど……食欲の秋と言ったものか。ひとつひとつ丁寧に食べていく彼女の姿が、とても愛らしくて食べるより彼女を見ていたくて手が止まっていた。
俺は自然と頬が緩んだ。
「?」
「うーん、いっぱい食べる君が好き」
おわり
一二八、秋恋
9/21/2024, 12:45:04 PM