許される筈のない恋をした。
「ごめんね」
君はそう涙を流した。
その涙は美しく透き通っていて。こんなに美しい人を泣かせて、謝るべきは僕の方なのに。
「ごめん」
そう何度も謝らないでほしい。
だんだんと惨めに感じてくる。
最初から無理だと理解っていて告げたのだ。このドロドロの感情を抑え切れなくなって、半分持たせる為に、無理矢理押し付けたのだ。
どこまでも美しく透明な君へ、この汚れた感情をぶつけたんだ。
ごめん。
そう。謝るべきは僕の方。
だって、君の色が、少しでも僕の色に濁ってくれたならば、本当はもうそれだけでいいんだ。
『透明』
5/21/2024, 11:40:11 PM