【溢れる気持ち】
ドミノ世界大会。
私は細心の注意を払いながら、並べられていくドミノを獲物を狙う鷹のような目で凝視していた。
「そろそろかな」
私は機を見計らうと観客席から飛び出しドミノにダイブした。
ガチャーン。バタバタバタバタバタ。
倒れる感覚がきもてぃぃいいいー。
やはり他人の努力を破壊することほど幸せなことはない。
が、すぐに気づく。
ドミノには転倒を防止するためのストッパーが付いているため、倒れたのは私の周りのドミノだけだ。
しまった!
こんなことならダメージが大きそうな立体ドミノを先に破壊しておくんだった。
私がすぐさま別のドミノを倒そうと動き出した瞬間。
「動くな!」
運営が準備していた警備員が駆け付け拳銃を構えた。
こいつら正気か。
当然私は止まらないので全身に銃弾を浴び帰らぬ人となった。
観客は思いもよらないパフォーマンスにどよめき立っていた。
めでたしめでたし。
2/5/2024, 2:30:10 PM