霜月 朔(創作)

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虹のはじまりを探して



君と初めて出逢った時。
君は心も身体も、
傷だらけで、
孤独に震えていた。

そんな君と、
一緒に過ごして、
君との心の距離が、
少しずつ近付いて。

それでも。
君の心はこの世界から、
離れている気がしたから、
君の願いを聞いてみた。

私と一緒に、
虹のはじまりを探して。

そう告げた君の目が、
余りに綺麗だったから、
君を強く抱き締めた。

君がそう願うなら、
私は君と一緒に旅に出よう。
虹のはじまりを探して。

君の心は彼方にあり、
此処には居ないのだから、
人の世に縛られる必要はない。
君が笑ってくれるなら、
私は他に、何も要らない。

君の心が想い描く、
虹のはじまりは、
どんな色をしているのだろう。

例え、どんな色を湛えていても、
それが君の真実ならば、
それで、いい。

きっと虹のはじまりは、
穢れきったこの世とは違う、
美しい場所だろうから。

7/29/2025, 5:42:02 AM