sparrowHAZET

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この月をどこかで眺めているだろうと思うと、この月明かりに照らされているのだろうと思うと、それはただの月なのだけれども、私の世界で何物にも代えがたいただの月となる。

月と私の間を飛行機が横切って行く。
名古屋発羽田行。
飛行機を追いかけるエンジン音が私の耳に降りかかる。
あの飛行機は彼を運んではいないだろうか。

ただの飛行機がまた、何物にも代えがたい、ただの飛行機となる。

ここではないどこかは、いつまでも私の中にある。

6/28/2023, 6:36:08 AM