「暇だねぇ…」
「そうだなぁ…」
二人は暇を持て余していた。
とにかくこの退屈をなんとかしたい。そう思った一人が提案をした。
「ちょっとゲームでもやらない?」
その提案に、相手は手を叩きながら楽しそうに笑った。
「いいねぇ。どんなゲーム?」
乗ってきた相手を満足そうに見て、にやりと笑う。
そして、地図を机の上に広げ、二つのコマを転がした。
「ここに二つの無能な人間の魂がある。それぞれどちらかを選び、そいつをいくつまで生かすことができるか。ってゲーム」
「そんなのすぐ死ぬんじゃないか?」
無能なんだろ? 能力もないのに生かすのは難しい。まぁ短期決戦なら問題ないか。
そんなことを考えていると、それじゃあつまんないでしょ。と、指を向けて振ってくる。
「どうしようもない時は、私達が手を出すことにしよう。ただし、三回まで。ほら、仏の顔も三度までって言うしね?」
「それはいいな。あと、生まれる地域も選べることにしないか? 選べないとすぐ終わりそうだし、逆に細かく設定できると、金持ちで権力を持ってるようなところに生まれさせれば簡単に生きられそうだし。そういうのは選べないようにしよう」
「そうだね。地域だけ、他はランダム。あとはどこで私達が手を貸すか。それで長生きした方が勝ち。ルールはそれだけ。シンプルだけど、それなりに時間掛けて遊べそうじゃない?」
「よし、決まり」
地図を指し、場所を決めてコマを置く。
そうして、二人はゲームを始めた。
暇を持て余した神々の遊び。
人間の与り知らぬところで、笑いながらコマを進めていく。ただ、自分達の欲求を満たす為だけに。
『ルール』
4/24/2024, 10:44:48 PM