西の空が茜色の夕陽で染まり始めると、それまでぼんやりと霞んでいたマンションやビル群が、背に夕陽を受けてはっきりとしたシルエットとしてその存在を主張し始める
そして、そこにひとつふたつと明りが灯り始める
私はこの時間帯がとても好きだ
そして何故だか必ず胸の奥がキュッとする
きっとそれは、
その明りのひとつひとつに家族の営みや職場の悲喜こもごもが繰り広げられているはずで、ひとつひつとの命が今日も健気に息づいていることを想像してしまうからだろう
やがて夜の帳が降り、明りの数が少しずつ減っていくオフィスビルとは対象的にほぼ全ての明りで満たされるマンション群
1日の仕事や学校を終えて辿り着く先では、どんな笑顔で迎えられるのだろうか…
そんな思いの込み上げる毎日のこの時間は、私にとって「街の明り」のショータイムだ
『街の明かり』
7/9/2024, 6:32:55 AM