もっと知りたい
「足りない、もっと、もっと。この世の中には分からない事が多すぎるのだ、気になる。まだ見ぬ叡智に出会いたい。全てを知り尽くしたいんだ。」
彼の研究室を覗き込むと何時もの様に彼はモンスター片手に作業をしていた。ノックをして入ってきてかれこれ数分。よっぽど疲れていたのだろう。この様子だと徹夜していたのだろう。健康に悪いから辞めて欲しいものだ。
「お食事持って来ましたよ。」
この様子だと永遠に作業しかねないので、声をかけてみた。すると興味なさげな様子、いや実際興味がないのだろう彼が面倒臭そうに言う。
「ん?ああ君か。ありがと、それじゃもう行っていいよ。」
「はい、それでは失礼しました」
私は彼についてあまり知らないし彼も私の事を知らないだろう。私は彼の事なんて読書や研究が好きな男性である位しか分からないけどそのひたむきに頑張っている姿が好きなのだ。しかし彼の興味が私に向く事なんて有り得ない。
「はぁ、またあんな態度とっちゃったなぁ。ほんと辛い。」
眠たいと良くテンションが低くなって、あんな態度しか取れない。通常でもあまり話せてはいないのだが。まあそもそもあまり寝ないから通常の状態の方が珍しいのだが。彼女はきっと気づいていない。俺の好意が彼女に向いている事に。勘違い、させちゃったよな。元々俺の事とか好きじゃないだろうし別にいいか。彼女の事について知っている事は殆どない。
「「はあ、もっと彼(彼女)について知りたいな」」
道はきっとまだまだ長い。
3/12/2026, 4:04:36 PM