鉛のように重い体を引きずって、とある小さな公園にあるベンチに腰掛けた。
今は、パラパラと雨が降っているから、公園には誰もいない。まだ午後3時だというのに。
まぁでも、もう成人済みで、しかもスーツ姿の今の私が、1番この空間に似合わないと思うけど。
雨は、強くなる気配はないから、多分通り雨だろう。別に、急いでどこか雨宿りをする所を探す必要は無さそうだ。もうこの公園に来てる時点で、もう動く気なんてないけど。
ふと、公園のそばにある道路を見ると、傘がないのか、カバンを頭の上に持ってきて、走ってどこかへ向かっている女性がいた。
そんなに雨は強くないのに、何をあんなに急いでいるんだろう。もしかして、なにかに遅刻でもしそうなのかしら。
大変そうだなぁ、と他人事のように考えていると、あるかっぱを着た小さな女の子が、公園に入ってくるのが目に入った。その女の子は、通り雨によってできた本当に小さな水たまりを、足でポチャッと踏み潰した。そして、またすぐ側にある水溜まりも、ポチャッ、その隣にあるのも、ポチャッ……。
女の子は、キャッキャと楽しそうにしている。
私は、なんだか女の子が可愛らしくて、思わず静かに笑ってしまった。
この通り雨は、人に色んな影響を与えるんだなぁと、訳の分からないことを考えてしみじみする。
雨に打たれて少し寒く感じていたけど、なんだか暖かくなってきた。
仕事の疲れも、他人の評価も、この雨で全部流してしまおう。
9/27/2023, 11:29:31 AM