宵風に吹かれたい

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俺が5歳。貴方が30歳の時、俺は貴方に恋をした。
キレイで強くてどこか儚い雰囲気を纏った貴方に、子供ながらに強く惹かれたのを覚えている。

それは俺が成長しても変わる事はなかった。むしろ俺の炎は燃えていくばかりだった。
5歳、10歳、18歳__50歳。俺はまだ貴方が好きだ。
何回も口説いたさ。でも、
「こんな歳の離れた奴なんかダメだよ。」
なんて、いつまで子供扱いするの?

俺の告白を聞かないまま、貴方は今死を目の前にしている。なぁ、お姉さん。一回で良いんだ。だから、
そんな願いも虚しく、貴方は息を引き取った。

俺の炎が、焔に変わり激しく燃えた。
お姉さん、俺がそっち行ったら覚悟してて下さいね。

10/27/2025, 1:42:15 PM