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狡くても、ダメダメでも、ロクでもない奴でも、願うくらい、いいよね?

遠い、遠い、昔の話。僕の一族は、どっち付かずの半端者の烙印を押された。
原因は、戦争をしていたどちらの国にもいい顔をしていたから。
そのせいで、どちらの国でも厄介者扱いされて、身を隠すようにひっそりと暮らすようになった、らしい。
伝え聞いた話じゃ当然だと思ったし、何より、その伝承が現在(いま)の僕の一族を表している。

祖先が仕出かしたことは、確かに愚かなことだった。
その結果、僕らはどちらの国でも生きることが難しくなったんだから。

一族の証を隠して生きていくのは、本当に大変だった。
僕らの一族に限らず、それぞれの一族は目に見える証がある。
簡単に言えば、一目でどの一族か解るってことで。
だから、僕らの一族は身を隠して生きるしかなかった。
どうあっても、偏見や迫害からは逃げられなかったし、僕自身諦めてもいたんだ。

だけど、それでも、願ってた。
許されることじゃないし、願うことも、本当は悪いことなのかもしれない。

でも、僕はみんなと生きていきたい。
みんなと一緒に、みんなと同じ夢を、みんなと叶えていきたいって、思ったんだ。

それを、こっそりと願った。

”流れ星に願いを”なんて、堕ちた僕には不釣り合いかもしれないけど、ね。



流れ星に願いを

4/25/2023, 12:44:16 PM