深夜帯のコンビニの店員のぼそぼそした挨拶を素通りして、カゴに詰められるだけの食料を詰めていく。
このコンビニの商品の配置は把握している。目を閉じていても完璧な動線で動ける自信がある。
いっぱいになったカゴの中身は、スイーツから弁当から雑誌まで、ない品目はないといった感じ。それだけで私の充足感は満たされ、スキップしたいような心地で店を出る。
そこがピーク。外に出てしばらく夜道を歩いていたら、こんなに食料買い込んでどうすんの、と反動が来る。
大きくて重いだけのビニール袋の中身を覗き見る。弁当やパスタやカップ麺の上に、謎に大量に買い込んだコンビニ価格のチロルチョコが、星のように散りばめられている。
頭上だけでなく袋の中にも広がる夜空が、今わたしが縋りつきながら生きている世界なんて信じたくないけど。
6/9/2025, 3:48:57 PM