突然の君の訪問。
「よ、久しぶり」
些細なことで仲違いし音信不通になっていたかつての親友は、そんなことを感じさせない変わらない笑顔を見せる。
突然の来訪。あの時はごめんな、意地張っちまって。いや僕の方こそ…。そんなテンプレのようなやり取りを交わし。わだかまりが消えるやいなや、来た時同様唐突に帰ってしまった。
あまりの出来事に遅れて我に返り跡を追う。しかし周りを見回してもすでに親友の姿はなく。掛けることも消去することも出来なかった電話番号を久方ぶりに表示する。ひとまずコールすることに安堵する。
しかし繋がった先は。近くにある総合病院の救急隊員。親友は事故に遭い、そして…。
そんなはずはない、だってさっきまで…。親友が息を引き取った時刻は、突然の訪問のあったその時刻。
突然の君の訪問は。僕をわだかまりから解放してくれ、そして絶望もさせた。
8/28/2024, 1:33:17 PM