殻斗あや

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【冬晴れ】

肌寒さというのが合うような風が僕の顔を触っては離れていく。それが気になり頬を触ってみると思った3倍ほど冷えている。なるほどな、懐かしい感覚だ。この時期までは覚えていないのに、この時期になった瞬間に思い出す、そんな季節が来ていた。みかんにこたつでも用意したい、というか、しているそんな季節が僕はとても好きだ。履いているランニングシューズの水色が目に入る。彩りとしてはちょうどいい。僕は少しだけ走り出す。別にマラソン選手などではない。健康のためじゃないと言ったら嘘になる。それでも僕は好きだから、走りたいから走り出す。風が強くなった。

1/5/2025, 12:26:41 PM