水滴を認識した。
だけど、同時にそれがなにかはわからなかった。
こんな矛盾を起こしたのは何か。
こんなにも不完全なものはなんだ。
山の斜面が川へと変身し、僕の足を少し押した。
そのイタズラの幼稚っぷりを葉たちが噂話している。
綺麗な花も呆れきって頭を下げ、虫たちは花に会いに行くのをやめた。
私の中の不自然はようやく完全となった。
この景色も、足にあたる水も、葉のざわめく音も、雨の香りも。
私の中においで。
そうしてひとつになろう。
きっと大丈夫。また次をみつけよう。
涙の跡はもう、消えていた。
6/19/2025, 12:42:43 PM