ゆかぽんたす

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「じゃあ、どうすればいいの?」
ほらまた。口論が加速するとキミは必ずそれを言う。まるでトドメの一撃のように。その後にボクが押し黙るのを知ってるから言うんだろ。内心ではボクに勝てたとでも思ってほくそ笑んでるんだろ。
いつもいつもそうだ。最終的にボクが悪者にさせられる。もう沢山だ。だから、もう同じような結末にはさせない。
「別れたほうがいいんじゃない?」
案外淡々と言えるもんだ。少しも言い淀んだりしなかった。つまりは腹の底からボクはそれを望んでいるのだろう。
「……そっか。じゃあ、バイバイ」
キミもキミで。終わり方はあっさりしてるもんだな。ボクらもっと早くこうするべきだったんだ。何をそんなにずるずると続けていたんだろうか。じゃあどうすればいいのって、これまでに何回もキミに聞かれたのにね。キミはボクにいつも終わらせる為のアシストをしてくれていたんだ。なのに気付けなかったボク。笑っちゃうよね、本当に。こんなに一体何を迷っていたんだか。
「さよなら」
もう向こうへ歩き出したキミの背中に向けて言った。全然悲しくないよ。むしろ終わりは始まりだ。次の出会いに向けてボクは意欲的にさえなれそうだ。

でも。
だけど。

キミのこと好きだった時間があったのは嘘じゃなかった。それは伝わっていただろうか。もうこの際、それもどうでもいい話なんだけど。

じゃあどうすればいいのって。
言われたらもう、何も言い返せないよ。
ずるいよ、キミは。
ボクの性格、知っててそんなこと言うんだから。

11/21/2023, 1:00:16 PM