七風

Open App

「この道の先に必ずきっと私たちが生きていい世界があるよ」
君は満面の笑みでそう言って強く足を踏み出した
僕はその言葉に背中を押されるように、手を引っ張られるように、前に進んだ
何があるか分からない道で
僕たちが生きていい世界があると信じて



…信じて




信じ…て…

僕はその道の真ん中で仰向きに横たわった
…倒れた、と言った方が正しいかもしれない
そして、憎いほどにいい天気の空に、もう居なくなってしまった君に言った


「もう、そっちに行ってもいいかな…」


お題:『この道の先に』

7/3/2021, 2:10:41 PM