ひよこ

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5.永遠に

幼少期からやたら干渉したがる両親のもとで育てられた我々。家庭内暴力で追い込む事が十八番の両親から逃げられない環境で暮らしてから二十数年が経っていた。


「いつまでも親は生きてる訳じゃないからね!」
母の口癖にはうんざりだった。

「儂もいつ天へ呼ばれるか分からんし…」
と自分の死に悲しんで欲しそうな父の相手も面倒くさかった。

我が子の顔色なんざ見ようとしないアイツらにありとあらゆる暴力で精神を蝕まれて若くして死にゆくのか…それまで永遠にこの地獄を味わわねばならないのか…と人生に諦めていた。

しかし

私と性格が似ていた兄が亡くなってからは、気持ち悪い位に私の顔色を伺うようになったではないか。
葬儀を終え仏間に小さくなった白くなった兄を置いた後、父が口を開いてこう言った。

「お前は幸せになったらそれで良いから」







ふざけるな。

11/1/2023, 12:43:03 PM