ホラー映画を私の家で友達と鑑賞後、二人で感想を語り合っていたらオオォ……という唸り声のようなものが聞こえた。
それだけなら風の音かな空耳かなと思えたのに、クスクスという奇妙な女性の笑い声まで聞こえて、私の背筋は凍りついた。
友達は目を丸くし私を見て呟く。
「今のって……まさか」
「お、おおお、おば、おば、おばけ……!?」
「おいおい慌てすぎ。まさかホラー映画見た後にこんな体験をするなんてね」
「な、なな、なんでそんなに冷静なの!?」
「えー? 面白いじゃん。こんなの滅多に体験できるようなもんじゃないしさ。
……しかしあんた、ホラー映画は普通に見れてたのになんで今怖がってるのさ」
「リアルと映画は違うじゃん!!
ね、ねえ、お願いだから今日はどこにも行かないでほしいんだけど……」
私が友達に縋り付くように言うと、友達はグッと親指を立てた。
「こんな面白い家に泊まれるなんて願ってもないことだよ!
予備の布団ある? それとも一緒に寝ようか?」
「そ、……それは遠慮しようかな……」
びくびくしながらかなり早めに眠りに就いたけど、その後何事もなく朝が来た。
友達はがっかりしていたけど私は心の底からホッとした。
おばけとかゾンビとかは創作上だけで充分!
6/22/2025, 12:31:11 PM