かたいなか

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数日前から連載風に続いてきたおはなしも、そろそろ終わりが見えてきました。

「ここ」ではないどこか別の世界に、「世界線管理局」という厨二ふぁんたじー組織がありまして、
そこの経理部のイチバン偉い経理部長は、ビジネスネームをプロアイルルスといいました。

「にゃごにゃご。にゃごにゃご」
「プロアイルルス部長はこう仰っています。
『諸君。闘え。争え。最後の1チームになるまで敵を叩きのめせ』と、仰っています」
「にゃーごぉ!にゃーごぉ!にゃごにゃごにゃご」
「『敵対!闘争!これぞ本能』と仰っています」

カギ尻尾のおでぶ巨大猫、プロアイルルスは喧嘩(オブラート包装済)が大好き!
管理局の資金を運用して、運用益を大量生産するのがとっても上手なので、
この運用益を局内のボーナス予算として、
たったひとつの部署、たったひとつのチームに、還元するための大会を開催しました。

目玉が飛び出るほどのボーナス予算です。
あの部署、この課、そっちの班が名乗り出て、
バトロワ形式で予選が為されて勝ち残ったのは収蔵部の収蔵課と法務部の特殊情報部門。

「ただ、勝つだけだ!」
特集情報部門の1匹が、チーチー言いました。
「勝って、みんなで、極上ナッツを買うんだ!」
特集情報部門の局員は、皆みんな、ハムスター。
小ちゃい体に不思議なチカラを持っておるので、
それを使って、あっちこっちで情報収集の仕事をする、プロフェッショナルでありました。

「ダメだ。まず、特殊情報部門のオフィスを、俺達が今よりもっと使いやすいように、改修だ」
「改修なんて、いらないよ!まずは僕たちのための、極上で、最高で、リッチなミックスナッツ!」
「借金!僕の借金!」
「ひとまず、勝とう。勝たないと何もできない」

チーチー、ちゅーちゅー。
それぞれ叶えたい願いが違うようです。
だけどハムスターのわりに、チームワークは良いようで、3匹して群れて収蔵部を警戒します。

「僕たちの小ささを、利用するんだ!」
とっとこハムズの特集情報部門局員は、決勝戦の戦場の、落ち葉の道の中に隠れます。
「ここに隠れておけば、」
ここに隠れておけば、収蔵部の人間たちは、僕たちを見つけることができない!
油断したところを叩くんだ!
とっとこハムズは考えたようですが、

どうやらハムズ、収蔵部と相性最悪だったようで。

「そーれぇ〜!収蔵品あたーっく!」
ぶわわわわ!
決勝戦の開始早々、ハムズの対戦相手、収蔵部収蔵課の局員が、リップのようなアイテムを取り出し、
きゅぽん!フタを開けたと思ったら、
魔法のリップから防風が吹き荒れて、
ハムズが隠れていた落ち葉の道を、びゅおう!
ハムズもろとも、吹き飛ばしてしまいました!

「なんでぇぇぇ!」
「僕これで飛ばされたの何回目だろう」
「あー、これは負けたか……」

結果、情報収集のプロフェッショナル、とっとこ特集情報部門のハムズたち、
落ち葉の道の落ち葉と一緒に魔法の防風に巻き上げられて場外へ。
決勝戦は収蔵課が、見事勝利しましたとさ。

11/26/2025, 9:59:45 AM