シロツメ ナナシ

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『輝き』


私も―― 私にも――
あんな輝きがあると思ってた
だけど現実は、全然甘くなかった

テレビや動画の人達みたいな
あんな輝きが欲しかった
だけど全然と言っていいほどなかった

歌や声で行けるかと思った
でもそこにも輝きはなかった

スタイル…
いや やめておこう…
火を見るより明らかで
鏡だって見たくないんだから…

知識は?
…どの通知書も
平均かそれ以下…

好きや趣味はどうだろ?
これならずっと、
頑張ってきたんだから…!
だけど……
進めば進むほど
自分は大海を知らなかった…

じゃあ…次は…!





探しても、探しても…
私は私の輝きが見当たらなくて…
私は…私を見直すために…
暗い夜空の下に
立っていた…

ここでなら…私の輝き…
…………………………見えるはず…!





私は、ゆっくりと進む…
暗がりをゆっくり…進む……

くらい…くらい…

深い…深い……心の闇の中に…

ここまで来たのに……私の…輝き……
…ちっとも…見えない……


…?
………………これ?


ここは暗闇…
月の明かりも…星の瞬きもなく…
真っ暗すぎて自分も分からない…
そんな中――――

……これ…

真っ暗闇の中で
目を凝らして
目を凝らして…

ようやく見えた
今にも消えそうな…「黒い光」だった
…これが、私の…?

「それ」を見つけて初めて気づいた
私はずっと……
私じゃない私を育ててきてた事に…
私が私を
初めて…いや、久しぶりに
見つけた瞬間だった

…ごめんね?「私」……
これから…ここから―――


私はこれから
「私」を、輝かせる


〜シロツメ ナナシ〜

2/17/2025, 2:15:29 PM