よつば666

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お題『イルミネーション』

 夏季補習最終日の3時限終了後、萌香は意を決して大神に連絡先を聞いてみた。すると大神の反応は焦っていたりドキドキしている様子もなく全く表情を変えず制服のズボンのポケットから携帯を取り出しアドレス帳を萌香に見せた。

大神「ほい。怪しいサイトに俺の情報渡さんといてや〜(笑)」

萌香「怪しいサイトって何?」

大神は一瞬驚いた。

大神「……えっ!?まぁ、そんなん知らんで当たり前やな。(笑)俺もよう知らんし……。あ、下手に調べたらあかんで!!」

萌香「?…うん」

このネット社会で怪しいサイトがあることを知らない人が身近にいるとは思わなかった。10コ下の妹でさえそのサイトにアクセスしなくてもそういう情報は知っている。授業で習ったと自慢げに話していた。最近は授業の一環でプログラミングを習うらしい。

大神と萌香は荷物を持って教室を出た。
廊下を歩き一階へ向かう。萌香は少し寂しげに話す。

萌香「夏休みが終わるまでしばらく大神君と会えないんだね。寂しいなぁ、せっかく連絡交換したばかりなのに……」

チラリと大神の顔を見上げる。大神はこちらに見向きもせず答えた。

大神「そんなん言わんでも。いつでも、連絡してくれたらえぇやん」

萌香「本当に?」

大神「おう!」

やっとこちらの顔を見たかと思ったら目の前は靴箱だ。大神と萌香はそのまま別れ二人は家路に着く。
夕方萌香の携帯にメッセージが届いた。

『お疲れ。子猫ちゃん!今週の土曜日の夜に俺とイルミネーショ見に行かん?友達連れてみんなで遊ぼうや!!』

萌香は天にも昇る気持ちだ。速攻で返事を返した。もちろん答えは「Yes」しかないのである。

End

12/15/2024, 3:33:12 AM