誘われたから、仲間に入った。
冒険だから、共に戦った。
回復役(ヒーラー)だから、傷を治した。
咄嗟の攻撃を受けた時、あなたが私をかばった。
防護壁(シールド)が張れないから、強力な回復呪文を覚えた。
すべてあなたから始まったこと。
すべてあなたのためにしたこと。
あなたが勇敢な姿を見せてくれたから、私は――。
「どうした?」
「なんでもない」
見つめていたことがバレたが、何事もなかったようにごまかす。
「先を急ぐぞ。魔王城はすぐそこだ」
勇者の背中を見ながら、私は今日も仲間たちと冒険を続ける。
/6/22『君の背中を追って』
6/22/2025, 7:59:02 AM