梨を剥いた。余命いくばくもないあなたのために。初めて剥いた日は、手を切ってしまった。次の日もガタガタになってしまった。次の日も、形はひどいものだった。それでもあなたは嬉しそうに口に運んでくれた。一週間もすると、皮が途切れることは減ってきた。梨の香りが、薬の匂いをかき消してくれた。その月には、まるで長年の癖のように自然に手が動いた。皮は細く、絶え間なく、するすると落ちていった。最後の梨は、私が食べた。その梨は、とてもとてもしょっぱかった。
10/15/2025, 4:18:43 AM