るに

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静寂の中心で
誰かがパチンと指を鳴らす。
どこからともなく現れた霧と共に
サァーっと姿が見えてくる。
白髪の少女の正体は
ネブラスオオカミだった。
普段は白雲峠にいるが、
今日は風が強いので
少し風を弱めてもらいに
人里へ降りてきたという訳だ。
少女は迷わない足取りで
ある神社へ向かった。
修行僧が何十人といる中、
一際目立つ者がいた。
1人だけ錫杖を持っている者。
そう、少女が会いに来た人だ。
世間話をして本題に入る。
話はすぐに終わり、
少女は峠へと歩き出す。
さっきの者が500年ほど前より
理解力が上がっていることに
驚きを隠せず、
修行僧をまとめる者はやっぱり凄いなぁと
オオカミに戻っていった。
"Good Midnight!"
そよ風が心地よくなってきた頃、
次は300年後にでも
顔を出そうと空を見つめていた。

10/7/2025, 3:34:16 PM