日本には四季と云うものがある。
暖かい春。暑苦しい夏。爽やかな秋。そして寒い冬。
ヨーロッパに行くとその括りは無くなってしまう。
四季があるのは、日本だけなのだ。
春。それは雪が溶け始めた頃、土のしたから新しい生命が生まれ始める。
春風は音を乗せ、言葉を乗せ、私達人類の冬眠を覚ますためにやってくる。
卯月になると、桜の門をくぐっていく少年少女が笑顔で学舎へ向かう。
入学式と書かれた看板の前で写真を撮る親子は、
人生のなかでも大きな出来事を体験していることを身体全体で感じさせられる。
始まりである春。
そして
終わりである冬。
冬。それは段々と山々も雪化粧をし、霜柱も珍しくない頃。
雪を投げ合って遊ぶ子供たちを横目に、暖房の効いた部屋でゆっくりとアイスを食べるのもよい。
師走になると、師走と言うだけあって、ツリーに飾りを付けていたかと思えば、
気づいた頃には御節を家族で食べているものである。
膝の上の猫も炬燵に潜り込んで、簡単には出てこない。
春は、事を問わず始まりの四季である。
私達は四季の節目という事にすることで新しいことに挑戦できてしまう。
冬は、私達と共に学び、遊び、変わる。
冬は一緒に。
〈冬は一緒に〉12/18
12/18/2022, 1:53:37 PM