「君に会いたくて」
side.A
君に会いたくて、帰り道をちょっと変えてみた。
君に会いたくて、通勤時間を少しずらしてみた。
でも、君には会えない。
後ろ姿を少し眺める事位しか、僕には許されていない。
あの頃の僕は子供で、自分勝手で、傲慢で。
君に想われているのをいい事に、好き勝手して君を傷つけた。
我慢出来なくなった君に愛想を尽かされて当然だよね。
でも、君と離れてやっと気づいた。
よく、失ってから気づくって言うけど、ホントにその通りだった。
君が好きで、恋しくて、後悔ばかりの毎日で。
でも、君はきっと限界がきて別れを告げたのだろうから、もう会えない。
僕には、会いたいと言う資格すらない。
だからせめて、君の幸せを祈りたい。
そして、もし叶うなら。
幸せに笑う君の姿を、一目でいいから見たい。
その日が来たら、僕はもう二度と君の近くに現れないから。
だからせめて、その日が来るまで、そっと見守らせて……
side.B
ふとした瞬間に、あの人の気配を感じる。
我儘で、傲慢で、自分勝手で。
ホントに、良いところを見つける方が大変な様な人だった。
でも、馬鹿な私は、あの人の弱さやふとした時に見せる優しさに引きずられ、ずっと付き合いを続けていた。
でも、そんな関係が長く続く訳がない。
いつしか私は擦り減って、疲弊して、無理にでも笑えなくなっていた。
もうムリ、限界。
そして、あの人との別れを決めた。
別れる前も、別れを決めたその時も。
どうしょうもない位、辛かった。悲しかった。苦しかった。
こんな屑と別れるのに、どうして私はまだ痛みを感じるのか不思議だった、
それでも、心の一部があの人を求めている事をは自分が一番分かっていた。
でも、いざ別れてしまうと。
何?このスッキリした感じは?
世界ってこんなに明るかった?
こんなに輝いてた?
時間って、お金って、こんなに有為に使えた?
ヤバい位、人生楽しい事が多かったって気付かされた。
今まで一体何にも拘って、何を見てたんだろう?って思った。
この先の人生は、間違わないで生きていこう。
くだらない事に拘らず、引き返す勇気を持って生きて行こう。そう思えた。
もう少し早く気づければもっと良かったんだけど、まぁ気づけただけ良しとしょう。
そして、時々感じるあの人の気配はこのまま無視し続けよう。
って言うか、あれだけの事をしておいてどの面下げてこんなストーカーじみた真似をできるのか不思議だわ……
1/19/2026, 11:19:52 AM