未来の続き
あなたがいたから
初めてチームを紹介された時シズクファーラムにとっては、不安な時間の一つでも
あった。
シズクが紹介されたのは赤髪のおかっぱの少女と金髪の柔和な笑みを浮かべる少年と
目つきが鋭い少年三人であった。
赤髪の少女は、活発そうな印象でシズクの事を常に気に掛けてくれる人だった。
金髪の少年は常に笑顔を絶やさず優しい言葉を掛けてくれた。
そうミーナとナイトは、兄弟姉妹が居ない
シズクにとってお兄さんお姉さんみたいな
存在だった。
人見知りが激しいシズクにも話しやすい
雰囲気を作ってくれた。
マリアやハロルドはシズクにとっては
安心できる人達だった
シズクが失敗しても急かす事も怒る事もせず暖かく見守ってくれた。
しかし他の人とは上手く喋れる様になった
シズクだが一人だけいつまでたっても
喋れない少年が居た。
ハイネクラウンと言う少年にシズクは苦手意識を持っていた。
口を開こうとすると強く睨まれシズクが
勇気を出して喋っても無反応でシズクは
たびたび不安になっていた。
そうしてだんだん日が経つにつれて
仲良くなるどころか髪の毛を引っ張られたり頬を抓られたり頭に虫を乗っけられたり
意地悪ばかりされた。
シズクは、抵抗したり怒ったりするのが
苦手だった。
シズクが怒ってもあまり怖いと思われないせいでもあるがシズクは大きな声で怒るのもあまり得意では無いしかしハイネと言う
少年の意地悪にとうとう耐えきれなくなり
シズクは泣きながらその少年に向かって
嫌いと言ってしまった。
気付いた時には、もう遅くその少年にまた
睨まれて怒られるんじゃないかとシズクは怖くなり目を瞑り見ない様にしていた。
しかしシズクの予想に反してその少年は
楽しそうに笑っていた。シズクは涙目になってその少年を見つめていた。
怒られ無いのは良かったがシズクが泣いているのを見て笑うと言う事は自分はこの
少年に嫌われて居るんだと感じた。
仲良くなりたいけど..... 自分を嫌っている人に話し掛けるのは躊躇われた。
しかしシズクの言う事に無反応で目も合わせてくれない事が多いが意地悪はしてくるので.... 痛いけど....何故かその少年は
凄く楽しそうだった。
痛いし怖いけど少年が楽しそうに笑っているのでこれは少年なりのスキンシップなのだとシズクは、思い始める。
私しか意地悪をして来ないのはきっと
私がびくびくおどおどしているから
それが少年の癪に障る様だった。
だからシズクは、この少年に意地悪をされたらはっきり嫌だと言おうと決めた。
するとこの少年は凄く楽しそうに笑うのだ
きっとシズクがはっきりと嫌な事が嫌と
言える様になってくれたのが嬉しいのだろうとシズクなりにそう解釈した。
それがきっかけかは分からないがシズクは
他の人に怒るのは、未だに苦手だがハイネには、少し怒れる様になった。
しかしシズクが怒ってもあまり怖くならないのでハイネに笑われてばかりいる。
ハイネが居なかったら私は未だに怒るのが苦手のままだっただろう。
一人でもちゃんと自分の気持ちをはっきり言える人が居るのはシズクにとっては
嬉しい事だった。
みんな元気かなあ.... バインダー局を辞めてみんなと顔を合わす機会があまり無くなった。 それでも学校でみんなと会えると
思っていたのに....
「学校もバインダーの仕事に関わらない
学校に行こうその方が平和で安全だからね」とルークさんにそう言われ私はまた
憶病風に吹かれて自分の言葉を飲み込んでしまった。
今度みんなに手紙を出そう それだけだったらきっとルークさんも許してくれるかも
しれない.....。みんなの顔を思い浮かべながらシズクは手紙の文面を考える。
みんなの一人一人の顔が思い浮かぶ
最後にハイネの顔が思い浮かぶ。
(ハイネに....会いたいなぁ....)シズクは自分で何故そう思ったのか分からないまま
無意識にそう思ったのだった。
6/21/2024, 5:57:42 AM