星、夜に光る星

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これを見ていない貴方へ

傍に居るだけで心が暖かくなる
大変でも貴方と二人話すだけで
私はとても救われるというのに。

なのに
どうして。

今日前の席に座る貴方は
厚いもやを背負っている
見飽きて来たその背中に。

前は振り向いてくれた優しい貴方が
今は違う人と喋っている楽しそうに
おめでとう貴方は違う世界の住人だ。

少し無理をして
小さくそう言ってみた。

他の人と話さないでよ、と
思うのは、おかしいのかな
言わないほうが良いのかな。

普通じゃ、無いのかな
なんて。


題材【特別な人】より
卒業式でした。





題材【ところにより雨】より
「今日の〇〇町の天気をお伝えします。午前はところにより雨。午後は雷でしょう。」
鉛のように光を反射しながら車が走っている。何時も混んでいて煩いこの場所が、今日はやけに広くて静かだった。
雨の匂いがする。悲しきパレードの音楽。風もなく、雨粒は湿った匂いをさせながら、垂直に白い軌跡を描く。
その中で女は、糸が切れた絡繰人形のように佇んでいた。曇った空を見上げる女の口には霧雨が降りしきり、吸う息は濡れ、内側と外側から女を水浸しにして行く...。
「...ぁ。」
吐き出した白い息は、雨に撃ち落とされる。
「...あぁ。」
世界は雨の音に満たされている。世界は白色に満たされている。女の周りの世界は。
人のいない交差点で、女はしゃがみ込む。泥の跳ねた水色のワンピースが、水溜まりに浸る。冷えきった肌に触れる水が心地良かった。


題材【ところにより雨】より
濡れても良いなら雨が好きだったのに。

3/24/2026, 12:33:24 PM