ね。

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最初にキミに会ったのも、最後にキミの姿をみたのも、この場所だった。


星があちらこちらに散りばめられた、深い深い夜空に、キミは独りで漂っていた。
あまりに小さいキミの姿は、よくみると、ボクの大好きな絵本に出てくる天使とソックリだった。

ふわふわした羽根は、キミが息をすると共に動いた。キラキラと光をまいて、夜空を舞っているキミを目で追いながら、ボクも深呼吸をした。いつもと違って、ボクの身体の中にぐるぐるした壮大な宇宙があるように感じた。



それから毎晩、キミに会いに、ボクはこの場所に通った。
キミに触れてみたかったけれど、そうしてはいけないような気がして、見守るだけにした。キミと共に呼吸をすると、ボクたちは一緒に宇宙を漂っているような気分になった。




ある夜、キミの光が弱っているようにみえて、ボクは慌ててキミをつかまえた。
できる限り優しく包みこんだつもりだったが、手の中のキミは徐々に光をなくし、僅かなキラキラだけを残して消えてしまった。やはり、触れてはいけなかったのだ。




ボクがつかまえてしまったせいなのか、
キミの寿命だったのか、
それは分からない。


ただ、
ボクは、あの夜、キミをつかまえてしまったことをずっとずっと後悔しているのだ。

2/12/2026, 8:48:23 AM