彩士

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雲の上に雲がある。
薄い雲の上に何層もの雲がある。
ゆるい風にのって移動していく雲と、
勢いのある雲にのってどんどん遠くへ行く雲たち。
上の上には上がいる。
なんだか変な感じ。

飛行機に乗った。
人生二度目。記憶がある限りでは、一度目。
いつも米粒ほどの大きさの飛行機に俺は乗っているのだ、と思うと変な感じがする。
地上から見るとあんなに小さく見えても、飛行機から地上をみてもあまり小さいとは、感じない。
周りにはふわふわとした雲が広がっている。
その雲の隙間にはもっと下に雲がある。
いつもとは、逆。下の下には下がいた。

ふと、人間社会もこんなもんかと気づいた。
自分の立つ位置で、見えるものが違う。
まだまだ未熟なときは、手に届くことのない立場に目を向ける。その場に立とうと努力をする。
登り詰めた暁には、下にいる人を気にする。
上に立ってみれば案外ちかい場所に目指すものがあったり、頑張る方向性が間違ってたりすることがある。

下の立場にいる時は、上を気にして、
上の立場にいる時は、下を気にして、
お互いの状況をなんとなく把握していて、
それが大事なものだと俺は思ってる。

7/16/2023, 12:26:16 PM