透月燈

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きっと、この空は世界と繋がっている。
果てしなく、永遠に──。

僕は空を見ることが出来ない。

厳密に言うと、空を見るとチカチカしてしまい、まともに見れないのだ。
7歳頃に診断された病気は「光過敏症」。
元から光には弱かったのだが、それまで空を見るのは大好きだったのに、苦痛になった。外で遊びたくても、絵を描きたくても外に出た瞬間目眩がする。
もう治すことは難しい──そう聞いて、僕はどうしようも無い空虚感に襲われた。

それから数年、同じ症状を持っている人に出会った。よく話が合って、すぐに打ち解けた。
その人も絵を描くのが好きだったという。
「貴方と出会えてよかった─。
心からそう思います。この症状で苦しんでいたのは自分だけではないのですね」

そう言われた僕は、もう二度と叶えられない「空を見る」という行為を絵画を通してでも叶えられるようにと、光を弱めたスマートフォンで空の画像を調べる。
ああ、そうだ。空はこんなに綺麗だったんだ。
そう思って筆を走らせた。

この世界には、僕と同じような症状を持っている人は数多にいる。
どこまでも続く青い空の下で、同じように苦しんで生きている人に、希望を与えたいと願うのは不自然なことだろうか?

僕は貴方に贈る、「空」という絵画を。
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お題:どこまでも続く青い空

10/23/2024, 10:15:52 PM