御茶ノ水から数駅の間で
漫画を一冊読んでみた
内容はあまり頭に入ってなくて
右から左へ流れていった感じだった
僕は何に対しても俄で
広く浅くな男である
また中途半端な男でもあった
昔っからそうで
引っ越す前よく遊んだカナちゃん(仮名)は
僕のことを「どっちつかず」と罵った
だけれど引っ越すことになった高校まで
カナちゃんは僕と一緒にいてくれた
僕が引っ越す時には
カナちゃんは誰よりも泣いていた
そんな遠いぼんやりとした回想をしながら
漫画をもう一冊読む
相変わらず内容はあまり頭に入っていない
錬金術の話ということしかわからない
黄色い電車は走り続ける
ぼんやりとしてる僕と
大勢の疲れ切った者たちを乗せて
元気かな
カナちゃん
もう10年も会ってないのに
顔が鮮明に出てくる
記憶に残っている
カナちゃんのことで頭がいっぱいだ
またいつか会えるのかな
4/9/2025, 10:17:17 AM