埼崎

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今年の冬は例年に比べても寒かった様で、
椅子に座りながら、珈琲を飲み、本を読み、
窓の外を眺めると満開の銀世界が広がっていた。
私の愛犬のハルは、窓をみながらはしゃいでいて、
なんだか昔の私を思い出す。
〝懐かしいな〟なんて思いながら私は目を閉じて
眠った。

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ふと意識が浮上した。
窓の外を見るともう夜になっていて、かなりの時間寝ていたのだと気付いた。
膝上にはいつの間にかハルが乗っていて、
撫でてやると嬉しそうにしていた。
ハルは程よく暖かくて、
〝あぁ、春が来たみたい〟
と感じた。
空は晴れて雪は輝き、こう伝えている様に思えた。
〝君の家だけは、僕がいても春が続くんだよ。〟
〝君の大切な、愛犬のおかげで。〟
寒さがあるから暖かさを感じる。
雪に感謝しながら、
そう、心から思ったとある日の夜。

1/8/2024, 2:44:20 AM