「私のことを忘れようとしないで」恋愛(お題:勿忘草)フィクション。1枚目
あぁ…ダメだったんだ。約2年続いた私の恋が今日、今終わった。
「えっと。ずっと好きでした。付き合ってください!」
そんな私の勇気を振り切って
「ごめんなさい。他に好きな人がいるので」
何かに刺されたように心が痛い。苦しい。
こんな事になるなら告白なんて…しなければ良かった。と深く後悔した。
明日からどう接すればいいの。広められてたらどうしよう。なんて自分を追い込む。
朝だ…。鳥のさえずりが聞こえる。
少しぼーっとしていた。気づくと5分は経過していた。
いつもより時間が経つのが早く感じる。いつまでもこのままではいられない重い身体をゆっくりと起き上がらせる。
リビングに来るとみんな起きていた。
「おはよう。ご飯できてるわよ」
聞き慣れてる声だ。落ち着く
「うん…。いただきます」
そう言って箸をとる。サラダを1口、口に入れた。あぁー、美味しい。
それから、無心で学校の支度を始めた
あ、もう登校しないと遅刻しちゃう。頭の中が空っぽだったのにそれだけが思い浮かんだ。
「行ってきます。」
靴を履いていると
「おねーちゃん!行ってらっしゃい!!」
癒される可愛い。
「うん。じゃあね」
できるだけ元気な声で応えた。そうしてドアを開ける
冬だけど今日は少し暖かい。息を吐く度白い息が出てくる。
やだ。やだ行きたくない。この息のように昨日の記憶を消しててくれないかな。消せないかな。そんな気持ちで溢れる。
遂に着いてしまった。寒くて手が震えているのか怖いのか。分からなかった。
教室のドアをゆっくり開ける。できるだけ目立たないように静かに。
自分に何度も大丈夫。大丈夫と言う。
目を教室の方に向けた。
…あれ。意外と普通?目であの人を探した。
…いた。普通に話してる。
なんだが迷ってた自分がバカみたいに思えてきた。
自分の席に座り、スマホを取り出そうとする。…あれ
てか、私のこと忘れてる、?
なんだろう。全くこっちも見てくれないし。嫌なのかな。…ちょっと苦しい。あんな来たくなかったのに。少し寂しい、
そんなことを感じながらもインスタを開く。このクラスでインスタをしてる人とはみんな相互。もちろんあの人も。
(ん?あの人のストーリー上がってる)
それを見た瞬間。息を飲んだ。動けなかった。
だって… 彼女できた って。嘘だ、だって昨日、、と考えても考えてもぐちゃぐちゃになるだけだった。
涙が勝手に溢れてくる。心が潰されて苦しい。
苦しいけど、、でも、もういい。素直に祝わないと、そうだ。帰りにあの花を買って渡そう。
放課後だ。足速に花屋に向かう。
近くにあった気がする。曖昧な記憶のまま歩く。
…ここだ!!
目的のものは、白の勿忘草。花言葉が、私を忘れないで。
ちょっと重いけどいいんだ。これで、私のことを忘れないでくれたら。私が勇気を出したことを、
それをかき消すように彼女できた報告。腹が立つ。
とりあえず私は2輪買った。…よく分からないけど緊張の糸がほぐれた。
私は歩き出す。これで上手く恋が終われる。
誰かに忘れられた時、私は私を消してしまうことが怖いから。お願いだから。
私を記憶の中に居させてよ。
2/2/2023, 1:33:50 PM