「見てごらん、あんな過酷なところでも、一輪の花が笑んでいるよ」
咲いているのを花が笑うって表現するの、詩的だね
いつも小難しいことを喋ってるけど、そういうことも言えるんだ
というか、花に興味を持つなんて思わなかったよ
「ハッハッハッ
私の視線はこういうものがよく目につくんだよ
君とはまた、違った景色が見えていると思う
それに、実は私の興味の範囲は広いのだよ
普段は抑え気味だけどね」
じゃあ小難しい話より、あなたの広い興味の話が聞きたいよ
「すまないすまない
私の話は退屈だったか」
言っちゃ悪いけど、意味わからないしね
意味のわかる話じゃないと、聞いててつまらないし、まともに返事もできないよ
「では意味のわかる話をしよう
笑うという意味の笑むは、花が咲く、の咲くの字を使って咲むとも書くから、花が笑んでいるというのも、実はひねった表現というわけでもないんだよ」
確かに、そういう表現ってたまに見かけるもんね
笑と咲で同じ意味にもなるんだ
というか、また小難しい話に繋がりそうだな
「そうだね
では、お互いの行ってみたい場所でも語り合うかい?」
おお、いいね
そういう話なら大歓迎だよ
私の行きたい場所はローゼリアス城下町かな
「ゲームに出てくる町だね
私も君の隣でゲーム画面を見ていたけど、あの一輪の花がモチーフの城の光景は、迫力があったね」
そうだね
街並みも含めて綺麗だしね
というか、また花の話になっちゃった
この話のきっかけも一輪の花だったよね
「話が戻ってはいないが、戻ったような気分になるね
あの花と城は全然違う姿だが、どちらも美しいことに変わりはない」
なんかかっこつけたこと言ってる
今日はそういう気分なのかな?
それはともかく、あなたはどこに行きたい?
「私は最近、激しい運動がしたくてね
散歩はするが、このままでは体が鈍る一方だからね
思いっきり走れるドッグランがいい」
現実的ですごく身近な場所だね
じゃあ、次の休日にでも行こうか
それにしても、なんで私は犬のあなたの言ってることがわかるんだろう?
「それは君が特殊能力を持ち、私も超能力、長寿命を持つ少々特殊な犬だからだが、詳しい話、聞きたいかい?」
小難しい話は理解できないからいいって
そんなしっぽふって目を輝かせても、聞かないよ
「それは残念」
2/24/2025, 11:20:33 AM