天への階が君の足元に差した。
ふわりと舞う白羽根の雨に晒され、
君は目を奪われるがままに一足伸ばした。
おそらくは姿なき声に導かれ、
おそらくは慈しむ意に包まれ、
君は光の先へと吸い込まれていく。
私はあの眩さに目を細めていた。
選ばれてある者のみを誘う神々しさに近づきようがなかった。
引き留めようと叫んでも、まるで私がその場にいないかのように届かなかった。
こんな形で見送るなんて聞いていない。
こんな形で別れるなんて望んでいない。
そうして君は光に呑まれ、私の前から消え去った。
今でも鮮やかに覚えている。
神々しい悪夢が目の前で起きたこと。
白い翼を生やした人たちに導かれる君の後ろ姿。
そして光に呑まれる前に私に見せた、物憂げな微笑み。
あの出来事が、昨日のよう。
あの時がずっと心に引っかかっている。
君を探すために私も消えてみよう。
あの場所、あの時、あの瞬間。
そちら側に連れていかれてみせる。
そのために積み重ねてみせる。
君が選ばれた理由がようやく分かったから。
その答えを教える頃には、
君に会えているから。
【君を探して】
3/15/2025, 11:21:26 AM