灼熱の太陽が照りつける。
容赦のない日差しに、流れる汗はとめどなく。
アスファルトを蹴り付けるスニーカー。呼吸音は規則正しく、一定のリズムを繰り返す。
僕は走る。ただ、ひたむきに。目指すひとつの未来に向けて。
言葉を交わしたわけでもない。約束をしたわけでもない。
ただ確信している。一年後、もう一度君と。
軋む肺。疲労が鉛のようにのし掛かって、つい足が止まる。それでも。苦しさに折れそうになる心をスポーツドリンクと共に嚥下して。僕は再び走り出す。
あの時わずかに届かなかった。その距離を埋めるために。 人知れず涙した。悔しさに報いるために。
重ねてきた日々を嘘にはしない。
君と競い、越える。そのために。
先は長く、果ては見えない。目の前に伸びる険しい坂道をまっすぐに見据え。その日を目指して、僕は走る。
【一年後】
5/8/2023, 2:47:56 PM