ふとした時、そこに平穏があるか分からなくなる時がある。
このドアを開けた先は、なにも変わりなく進んでいるのだろうか。開けないで知る方法はない。
可能性は何通りもある。もしかしたらそこに家族はいないかもしれないとか、水でいっぱいかもしれないとか、知らない人がわたしを狙おうとその時を待っているかもしれないとか。
それでも、扉を開けて、ただいまと呼びかける。
少し遠くからただいまと声が帰ってくる。乾燥した廊下で、猫がにゃあと鳴く。
ああ、良かったと、無性に安心するのだ。今日も何も無かった。そして数秒後には、そのことすら忘れてわたしは平穏な日常に帰るのだ。
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「平穏な日常」
3/11/2026, 10:38:13 AM