恋したあるまじろ

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君がいなくなってちょうど十年。今日も来たのにこんなにちっぽけな霊園で君の墓石は見当たらない。あれから毎日君に会いに来てるのに。
「やっぱり今日もか」
やっぱり君は、、、





あなたが突然消えてからちょうど十年。今日も私はあなたを探す。
「、、また逢いたいな」
あなたに触れていたい。暖かくて、大切に私を愛してくれるあなたに。でも、偶然見つかるなんて。そんなことはなくて。





あれ、あの雲懐かしい。君がいなくなる前にみた低くて触れない入道雲。確か、あの時僕と君を隔てた入道雲もこんなんだっけ。あの雲は僕の全てを連れ去って夏の日差しに消えてった。





あ、あの雲。あなたを消した入道雲みたい。皆に話すと「そんなのフィクションだー」なんて言うけどやっぱり信じてみたいの。君がいるのはあの雲の先なんだって。




思い出したくないよ。そんなの。君との初めて喧嘩した日から会えないなんて。信じられない。きっかけなんて大したことなかったのに。もう、謝りたいよ。でも、もっと言いたいことあるよ。




あ、私泣いてるじゃん、だっさ。あなたと喧嘩したの。ムカついたけどちょっと嬉しかったよ。だって意見が食い違うなんて初めてだったじゃん。またやり直すことができたらなぁ。真っ先に言うよ。




「え、奏?」
「、、あ、冬夜くん?」
















6/29/2024, 4:17:18 PM