1日1小説 輝き
あいつはいつも輝いていた。クラスの中心で、常に囲まれていて、あいつの周りは常に賑やかだった。
気も遣えるやつで、クラスの端っこで本を読んで静かに過ごしているような自分にも話しかけてくれて、クラスの輪に入れてくれる人だった。
そんなアイツが、
眩しくて、
仕方なかった。
羨ましかった。
妬ましかった。
だって、本来そこに居たのは、自分だったから。
元々明るい性格で、いつも注目の的、クラスの中心、カリスマ的存在だった。
でも自分は、その事実に酔いしれて、日陰にいる人には注目したことは無くて、妬まれる存在だった。
知らなかった。
ある日
気がつけば
階段から落ちていた。
落とされていた。
1ヶ月の入院を経て、退院してみれば、クラスに自分の居場所はなかった。転校してきたアイツに、美しい顔、カリスマ的性格をもつあいつに、乗っ取られていた。
自分の存在はまるでなかったかのように、誰も見向きもしなかった。自分は、人気者ではなかったんだ。輝いていなかったんだ。
それからずっと、日陰にいる。
けど
そんなの
プライドが許さない
だから今日、自分は───……。
2/17/2025, 12:22:40 PM