ひらひら、ふわふわ、遊び舞う。
君はどこへいくのだろう。問いかけても当然返事はない。
その奔放な自由を得るために、ひとり静かに耐え忍んだ。そんな日々のことなどすっかり忘れてしまったように。うららかな春の日差しに包まれて、花から花へ。渡り移ろう。
気ままにゆく旅の先。進む季節の果て。君はまたひとり、静かに眠りにつく。
ひらひら、ふわふわ、軽やかに。
過ぎゆく時を憂うことはなく、やがてくる夜に怯えることはなく。羽ばたきはどこまでも可憐。
短い春を朗らかに歌う。
君をただ、眺めている。
【モンシロチョウ】
5/10/2023, 11:49:46 AM