ただいま、夏
ねえ、もうすぐ消える金魚の夢
溶けかけた空に、名前つけても
通知は鳴らない、まぶたが重い
#好きだったひと も今じゃ既読スルー
プールサイド、素足のまま
心のざらつき、誰にも言えず
スニーカーじゃ踏めない想いが
コンクリに溶けて、光になった
蝉の声、ひびく午前四時
言葉はいつも遠まわり
「大丈夫?」のスタンプひとつで
泣けるわけないよ、ねえ、わかるでしょ?
鏡の中に、まだ知らない自分
スクロールしても見つかんない
好きとか嫌いのラベルより
ほんとは「わたし」でいたいだけ
あの日、ひとりで泣いた夜も
かき氷みたいに溶けてくのかな
ねえ、夏って、ちょっとさみしい
でもね、今日もちゃんと朝は来たよ
――だから、ただいま、夏
ほんのすこし、背すじをのばして
うまく笑えなくてもいいから
ちゃんと「わたし」で、ここにいる
8/4/2025, 12:30:51 PM