Amane

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街へ

街は薄暗くなり、その姿を変える。
笛の音の方へ歩みを進めると、少年が目を細めて笑った。

「あなたはどうしてここへ?」
「……さぁ、私もわからないんだ。」
「あなたが帰る方法を教えてあげましょうか?」
「いや、なぜだかもう少しここにいたい。」
「そうですか。でも、絶対に9時までには帰るように。」
「……それはなぜ?」
「それは知らなくていいことです。いいですか、絶対にですよ!」
先ほどとは打って変わって真剣な眼差しで声を荒げる。
「わ、わかった。それまでには帰るよ。」
少年はまた優しげな笑みを浮かべた。
周囲には屋台が並んでおり、普段は見ないような珍しい品が並んでいる。なぜか懐かしい気持ちになり、仕事の疲れも忘れて屋台を一つ一つ見て回った。

気づいた頃には、時計の針は9時を過ぎていた。


「✕✕くん、どうしたの?」
「いや、あの人は無事にこの街を出たかなぁと思って。」


「僕のようにここに縛られてほしくないからね。」

1/28/2024, 10:52:49 AM