「世界の終わりに君と」
きっかり、今夜0時に世界が終わるとしたら……
エポニーヌのように雨の舗道を彷徨って…何処へも帰らない。
そして、私を知らない君を恋うて、夜空を見あげるだろう。
…幻の君を連れて夜をともに歩くだろう。
君の幻は優しく、…けれど幻だから、
私は君から少しだけ目を逸らして、夜空を見あげるだろう。
もしも夜空の奥の、ずっと奥の、銀河よりも遠い彼方に
………私の家があるなら、
エポニーヌのような流離いの果てに
舗道も川面も夜空もすべてが銀河に変わり銀色に烟ってそして遥かな街の小さな家がふたたび私に現れるなら
本当に今夜0時に世界が終わってもかまわない。
幻の君を置いて、彼方へ落ちてゆければいい………
6/7/2024, 11:09:24 AM