語り部シルヴァ

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言葉はいらない、ただ...

些細な喧嘩を友とした。
話し合いで終わるはずだった。
少し高めの土産を持って話し合ってあの時は
悪かったと言うつもりだった。
ところがそうもいかなかった。

茶室へ案内されると思ったが、庭の真ん中に呼び出された。
土産は持っていかれた。
キョロキョロと見渡していると、友がやってきた。

「や、やぁ。」
挨拶をしようとすると友はこちらに真剣を放り投げて来た。
受け止めるやいなや友は真剣で斬りかかってきた。
咄嗟に鞘で受け止め剣を抜き斬りかかる。

「おい!急になんだ!」
問い詰めようと思うが友の構えは緩みもしなかった。
ただ、鞘で刀を受け止めた時に違和感があった。
力が思ったより入ってなかった気がする。

これは真剣による喧嘩...そう受けとっていいのだろうか。
片手に持っていた鞘を放り投げ構える。
友はニヤついて刀を握り直す。

言葉はいらない...ただ...喧嘩するのみだ。
そう言いたそうな友の笑みを見て釣られて笑う。

語り部シルヴァ

8/30/2024, 4:23:26 AM