ほろり
君の涙が溢れた時
僕はただ、君の隣で座っていた
波打ち際
もうすぐ夜が明ける
それまでには何か言わなきゃと焦る
言葉は喉に突っかかって何も出ない
…何も言えなかった
沈黙
波の音だけが聞こえた
星はどんどん朝に溶けてしまう
二人で過ごした半日の逃避行も
朝になれば
二人はきっと…
なんて
思ったところで
全ては手遅れだ
陽は登る
朝が来る
朝日
それが僕らを別つなら
無ければいいのに
なんて
君には言えないなぁ
君は笑って言う
「朝日が目に沁みるなぁ…」
君にはもう
僕が見えない
涙の理由
10/11/2024, 5:15:13 AM