寒い寒い雪の降る日。
マフラーを巻いていても、鼻が真っ赤に染まる君と同じベンチでイルミネーションを見ていた。
ふと、君がベンチに手をついている事に気づいた。
その手は真っ赤な鼻と同じくらい真っ赤で寒いのがひしひしと伝わってくる。
彼女への恋情は伝えていない。
でも、これだけは許してほしい。
そっと、自分の手のひらを重ねた。
彼女はそれに気づくとこちらを向いて、えへへ、と嬉しそうに笑った。
その笑顔、その反応に期待してもいいのかと思ってしまう。
だけれども、臆病な僕は結局、想いを伝えられずに、そっと君への想いを胸に押し殺した。
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そっと
1/15/2025, 9:41:20 AM