H₂O

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これからも、ずっと


「ねぇ、変わらないものなんてないんだよ」
君はそう言った。桜がひらひらと散る公園で、二人並んでベンチに座っているときだった。
「これからも、ずっと一緒だなんて、確信はないし、約束もできない。私も、君もいつかは変わってしまう。……今この瞬間にでも変わり続けているんだよ」
永遠なんて、約束されてないの、そう呟いた君はどこか辛そうだった。まるで、そうなることを知っているかのように。
今を噛み締めるように、ともすれば泣くのを我慢するかのように、君は目を閉じて空を仰ぐ。
そんな君になんて声をかけたらいいか、わからなくて黙ってしまえば、君は目を開けてベンチから立ち上がった。スカートに乗っていた桜の花びらたちがゆらゆらと地面に落ち、桜吹雪が舞う。
「だからさ、桜が散る頃にまた会いに来てよ」
優しく微笑んだ君がやっぱり泣いているように見えたのは気のせいだったんだろうか。
確信が持てないまま頷けば、君は嬉しそうに微笑んで桜吹雪にまぎれて消えてしまった。

4/8/2023, 2:52:50 PM